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期待と覚悟

2011.11.16 22:08|短編
入江くん誕生日のためにばーっと書いた話ですが、なんも甘くないです。
萌えも少ないw



*  *  *



「ごめんなさい…」

うるうると涙をためて、彼女が俯いている。
まだ湿った髪をタオルで拭きながら彼女を見下ろす。
いったいなにをしたんだ、と思っていると、彼女はちらりと彼を見る。

「………生理になっちゃった…」







今日は彼の誕生日である。
彼女はしばらく前から紀子と一緒にうきうきと準備をしていた。
当直を入れるなと散々言われて、さっさと帰ってくるようにも言われていた。
彼はこういうことにとことん無頓着だけれど、強引なあの2人には敵わない。

仕事が終わって帰宅すると、彼女は彼を玄関まで迎えに来た。(彼女は非番だった)
にこにこと振舞っていたが少しだけ気だるそうで、そして影があった。
彼は少し不思議に思ったがあえて問いただしたりしなかった。

いつものように盛大なパーティに付き合わされ。
彼女は相変わらず健気にプレゼントを差し出してきて。
それは――確かにかったるいけれど―――騒がしくて、賑やかで。

そして、その後、やっと静かになったと安心していたら、彼女が真剣な顔でそんなことを言ったのである。

「ごめんなさい、入江くん」
「そんなことで悩んでたのか」
「そっ、そんなこと?」
「身体のことなんだからしょうがないだろ」

彼がため息をつきながらそう言えば、彼女がじっと彼を睨んでくる。

「なんだよ」

どうして気遣ってやったのに、そんな目でみるのだろう。

「いっ、入江くんは……そ、『そんなこと』で、片付けられちゃうくらい、なんだ」
「はあ?」
「あたしは…すごく悩んだのに」
「そんなこと言ったって、仕方のないことだろう」
「だけど!なんか『どうでもいい』って言われてるみたい…」

うるうると彼女が唇を噛む。
どうやら生理期間中の不安定さも重なって、感情が高ぶっているらしい。

「何、お前、俺が『生理中でもさせろ』って言ったほうがいいわけ?」
「う…だ、だって!あたし…あたし…ただでさえ奥さんらしいことできてないのに…だから、今日のために、いろいろ…」

そこまで言って彼女は口を濁らせる。
どういう準備をしたのか彼は知らないけれど、どうせ新しい下着を買ったりだとか、エステに行ったりだとか―――そういう支度のことだろう。

「へえ、お前そんなにしたかったの?」

意地悪くそう言ってやると、彼女の頬がばっと赤くなった。
にやにやと見つめている視線に耐えられず彼女は目を逸らすが、おずおずと口を開く。

「だって、…入江くんに喜んで欲しいから…」

もじもじとそう素直に言う彼女は、今にも抱きしめたくなるくらいかわいらしい。
まさかそう切り返してくるとは思わず、彼は彼女をじっと見つめる。
だけれど彼女はばっと真っ赤な顔を上げる。

「そ、そっか。他にも方法はあるんだ!」

そう言って、彼女は彼のパジャマに手を掛け始めたので―――彼は驚いて。

「おいっ」
「いいの!遠慮しないで」
「勝手に自己完結するな!」

この落差の激しさも彼女らしいと言えば彼女らしいのである。
ふにっと彼女の頬をつまむと、「ひたいよう」と言ってじたばたし始める。

「いいか、琴子」
「はひ」
「そういうことするばかりが夫婦じゃないだろう」
「…はけど、ひりえふん」
「お前は俺とそういうことをするためだけに結婚したのか?」
「ひっひはうよ!ふぉんなわけはいじゃない!」

彼女の頬から、彼の指が外れた。

「なら、そういうことだ」

彼女は自分の頬に触れながら、彼を見つめ返す。

「……うん」
「身体だるいんだろ、早く寝ろ」
「ねえ、入江くん」

彼女はもぞもぞとふとんに入り込む。
鼻のあたりまでふとんを掛けて、ちらちらと彼を見やる。

「入江くんだって、ちょっとは期待したり…しなかった?」

彼が彼女を見ると、彼女は顔を真っ赤にしていた。
先程人のズボンを脱がそうとした人物と同一だとは思えない。
どっかやることが相変わらずずれている彼女に苦笑いを浮かべながら、彼はふっと鼻で笑う。

「どうだかね」
「い、いじわる、教えてくれたっていいじゃない」

琴子はぷうっと頬を膨らます。

「あたし求められてないんじゃないかとか、考えちゃうよ。ただでさえ色気無いんだし」

彼もふとんにもぐりこむ。
ぬくぬくと暖かくて、2人はほっとする。
彼はその柔らかな彼女の髪に触れて、するすると梳いていく。

「期待しとくよ」
「えっ?」
「一週間後」

彼女がぱちぱちと瞬きをしていると、彼はすっと手を伸ばして電気を切る。
一気に暗くなって鳥目の彼女は視界を失う。

「入江くん…」
「どうやら奥さんが気張ってご奉仕してくれるみたいだしな」
「っ、う、…うん、あたしがんばるね!」

無邪気に頑張ると言う彼女に、またしてもくすくす笑いながら彼は彼女の頭をくしゃりと撫でる。
嬉しそうにひっついて、彼女は目を閉じる。


しばらくして聞こえてきた寝息に、彼は目を細めながら呟く。

「お前は、覚悟しておけよ」

その柔らかい唇を指でなぞって、彼は夢の世界の彼女に告げたのだった。




( おいしくいただく 予定です )




我慢する入江くんでした(笑)そうは全く見えないけど。
がつがつしてなさそうに見えて、しっかりこっそりがつがつしているみたいですw
短いです。ばーーーっと、入江くん誕生日のために書きました。
その割に入江くんが良い目を見ていないのは仕様ですwくふふ!かわいそうに!←えすはむしろ私。
誕生日に間に合わなくてスミマセン。
はぴぱw入江くん!








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ちぇるしぃさん
>>いつもありがとうございます(^O^)むっつりな入江くんですみません(笑)どんなことをさせるつもりですかね〜wあっついつい声が弾んでしまう(変態)
いやいや「おいしくいただく予定」なので、ぜひとも入江くんには最大限に琴子ちゃんの味を引き出していただきたいと思います(←何の話)
……琴子ちゃんはきっと、たいへんですね!
コメントありがとうございましたo(^-^)o
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素敵なイタキス二次創作に憧れて、うっかり立ち上げてみたブログです。
イリコトってすごく難しいのですが、「別人だよ」と言いながらもがんばって妄想世界へこきだしていこうかと思います。

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