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彼と彼女の物語

2011.11.21 00:00|短編
21日のために書いておいたお話です。
予約投稿です。
愛と感謝を込めまして。

イタキスが好きな皆さまに、捧げます。

*  *  *





来年も再来年も。
10年後も20年後も。

あなたと一緒にいたいから、あたしは送り続けるの。


―――たくさんのキスの花束を。














「おはよう!入江くん!」

いつも寝起きの悪い彼女が、彼より早く起きている。
彼はあくびをしながら身体を起こす。
まだ外は明るくない。
今何時だろう、と時計に視線を向けたとき、ちゅっと頬に柔らかな感触。

「…、?」

えへへ、と彼女が笑っている。
彼は少し考えを巡らすと――ああそう言えば今日は、と答えにたどりつく。

「結婚記念日だったな」
「うん!」

嬉しそうに頬をピンクに染めて、彼女は頷く。
結婚記念日だから!と言う理由だけで、彼は仕事を非番にさせられたのだった。

「じゃあ、もう少し寝るか」
「わわっ…寝ちゃうの?入江くん…」
「早起きしたってやることないだろ」
「…まあいいけどぉ…」

ちょっと不服そうだけれど、彼女は頷く。
珍しいなと思っていると、彼女は再び彼の頬にちゅっとキスをした。

「今日ね、あたし、入江くんと100回キスするから!」
「は?」
「なんか記念日っぽくて素敵じゃない?うふふ、これで2回目!こういうときに稼がないとねっ」

誰の入れ知恵だろうか。
寝ようとした彼の額に3回目、耳元に4回目―――彼女は次々にキスを落として行く。
そう言えばまだ結婚する前の彼女はいちいちキスの回数を数えていたものだ。
いつか彼が言ったように、もう数える必要などないのだけれど。
だけど今日は結婚記念日だから、彼女は『特別な2人だけの儀式』に憧れているらしい。

「おい、琴子」
「5回…ん?なあに?」
「それってお前からじゃないと駄目なのか?」
「あ、もしかして入江くん協力してくれるの?もちろんOKだよ!えへへ…」
「ふぅん」

頬を染めながら、彼に微笑む。
彼は寝そべるのをやめ、起き上がった。
彼女にもっと近付くように手を招くと、嬉しそうに胸の中へ飛び込んできた。

ちゅ。
彼が彼女の頬にキスをする。
彼女はうっとりとそのキスの落ちた頬を押さえる。
嬉しそうに笑って、それから彼の鎖骨の辺りにキスをした。

「7回…」

彼女の頬を両手で包みこんで、彼は彼女の瞼にキスをした。
唇が離れると、彼女は瞳を開けて彼を見上げる。

「琴子、ここは?」

彼がすっと彼女の唇をなぞる。
真意を理解した彼女はぽっとなりながらも、彼の首に腕を回す。

ちゅ。

触れるだけのそれ。
彼はふっと笑って、触れるだけのキスを彼女の唇に返す。

「…えっと、10回…」

彼女の指が折られていく。
それを見ていて、彼は意地悪な気持ちが生まれる。

彼女の唇に再びキスを落として、離し。
もう一度その唇を塞いで、ゆっくりと舌で唇をなぞってやる。

「…っふ…」

長くて深い、甘いキスから解放してやると、彼女はうっとりと彼を見ていた。
彼が意地悪く笑ってみせると、彼女は自分の指で回数を確認してから、今度は彼女から彼に顔を近付けた。

いつか彼に教えられたように、彼女も舌をゆっくりと彼の咥内へ侵入させる。
大胆になったものだ、と彼は思う。
まだ少したどたどしさは残るものの、悪くは無い。
舌を絡ませれば、彼女の苦しそうな吐息が耳に届く。
自分で仕掛けておきながら、彼女は、くらくらしながら唇を離した。

「はぅ…」

パジャマをちゃんと着ているから確認はできないが、彼女の肌が桃色に染まっていくさまがありありと彼にはわかる。
彼女はぼうっと放心状態になっているが、はっと気付いて再び回数を確認する。

「え、えっと、13…かな…?」
「琴子」

彼女が逃げられないように、彼は彼女の腰に手を回す。
彼女はきょとんと、何もわからないというあどけない表情で彼を見た。

「…ちゃんと、数えてろよ」
「え?――あっ…ぅ」

まずは彼女の耳に彼のキスが落ちてきた。
だけれど先程の触れるだけのものではなくて―――しっかりと舌がそこを愛撫する。

ちゅっ、ちゅう。

「ん、ぁ…や…」

軽く噛んでやると、びくりと身体が震える。
力が抜けた彼女を支えつつ、そのパジャマのボタンをするすると外していく。

次は首筋。
彼女の弱いところにしっかりと舌を這わせれば、甘い声が上がる。

「は、や…ぅ、や、やめ…」
「ちゃんと数えろって言っただろ」
「う、…え、えっと…じゅ、じゅうろ…ひゃあっ」

彼に全体重をかけた状態で彼女は、身体を震わせる。
吐息は甘く、目は潤み、彼の服の裾を必死に掴んでいる。
彼を煽っているだけだとは全く気付かずに。

「す、すとっぷ、入江くん…え、えっと、今ので…その、じゅう、はち…?」
「二桁も数えられなくなったのか?」
「だ…だぁって…、んぅ…」

するりとキャミソールの肩ひもが落とされる。

「あぅっ…や、ん」

彼の大きな手が彼女に触れた。
ひんやりとしていて、彼女は思わず後ろに逃げようとするが、もう片方の手で腰ごと引き寄せられる。
彼女のことをよく知っているそれの動きに、ふえ、と彼女は眉を顰める。

「―――琴子」
「はぅ、や、ま、待って…数えられなくなっちゃっ、ん、う…」
「せっかく、俺が協力してやってるのに?」

ふふん、と彼が笑った。
彼女は彼を見たけれど、ふっと彼は視界から消える。
あ、と思ったときには、身体に甘いしびれが走った。

「ふ、あ…」

わざわざ大きな音を立てて、吸う。
既にぴんと堅くなっているその頂を、軽く噛まれる。
彼女の身体の熱が上がる。
くらくらしそうな、甘さ。

もう、わかりやすいくらい、これから何が起こるかわかってしまった。

甘い感覚に彼女は観念して、腰に回った彼の手に体重を掛ける。
彼はふっと鼻で笑って、彼女の体重に任せて自分もろとも―――ベッドに倒れ込んだ。

彼女の手が彼の首に回って、引き寄せる。
お互い熱のこもった瞳で見つめ合って、少し微笑みあって、それから甘い甘いキスをする。
しゅるしゅるとシーツの海を泳ぐ2人の身体。

彼女は数えるのを諦めてしまったのか――それとも数えられなくなってしまったのか。
キスの数を数えるために折っていた彼女の指は、いつの間にか当り前のように彼の指と絡まされていた。














彼女は枕に顔を預けたまま彼を見つめ、彼は上半身裸のまま天井に視線を向けている。

彼女が早起きをしたため、今でもまだそこまで遅くは無い。
かろうじて朝、と言えるだろうか。
もちろん日は先程より高く上がっており、カーテンから入り込んでいる日差しは明るい。

「キスの数、数えられなかった」
「まだこだわってるのか?」
「だって!今日は入江くんといっぱいキスしようって思ってて…」
「いっぱいしただろ、まあキスだけじゃないけど。しかも朝から」
「なっ!」

彼女はぼふっと真っ赤になって、彼を睨む。
何をいまさらと彼は思うのだけれど、情事の後なだけに恥ずかしいらしい。

「んもう!すぐ意地悪言う!」
「不服か?あんなに喜んでたくせに」
「ひっ!ひどい!なんでそんな恥ずかしいこと言うの!」

ぽかぽかと彼女は彼を叩く。
大した力も込めていないそれを彼はすんなりと受け止める。
むぅ~~と頬を膨らまして彼を睨む彼女に、彼は小さく目を細める。

ちゅ。

膨れた頬にキス。
彼女はきょとんと彼を見上げる。
彼はにやりと笑い、それからまた、彼女の鼻先にちゅっとキスをした。

「いりえく…」
「ほら、これで2回だろ」

よく事情が読み込めず見上げる彼女に、彼はくすくす笑う。

「もう一度、数えて直せばいいだろう?」

ふっと彼が意地悪く笑いながら、また彼女の顔にキスを落とす。
ピンク色に染まっていく彼女の頬。

「……うん、そうだね」

にっこりと笑って、彼女は目を閉じる。
それから今日何度目になるかの、キス。
これから今日何回するかわからない、キス。

「また、数えられなくなっちゃったり、しないよね…?」
「それはお前次第だろ」
「あたし?」

ちゅ。

「だって、お前がかわいかったら、またそうなるかも」
「えっ、えっ、か、かわいい!?かわいいって言った?」

あたふたあたふたと彼女は彼の腕の中で動揺する。
反応するのはそこなんだな、と彼は相変わらず笑いながらまたキスを落とす。

「それじゃなくてもお前は数えるの忘れてしまいそうだな」
「ねね!入江くん、それって…さっきはかわいかったってこと?ねえ?ねえ?…は!それじゃあ今からそういうことにならなかったら、あたしかわいくなかったってこと?あれ?え?どうしたらいいの?あたしっ」

ちゅ。
じたばたする彼女にキスをする。
どんな彼女だってかわいいのだけれどそれは言わない。

きっと天才に任せれば今何回キスしているのかくらい―――わかりそうなものだけれど。

彼にはもともと数える気など無い。

「いいじゃないの?数えられなくたって」
「だ、だって、せ、せっかく結婚記念日だから!10年後も20年後もずっとずっと先でもキスできますようにって願いを込めて100回キスしようって決めたのに」
「別にいいじゃん」

彼女の髪が彼の指からするすると滑り落ちて行く。

「―――数えられなくなったら、また数え直せば」

諦めないのが、彼女の美徳。

その言葉の真意を理解できない彼女に笑いかけて、再びキスを落とす。
今度は深い深いキス。
また数えられなくなるような―――甘いキス。




数を数え始めた時点で、100回まで数え終る時がいつか必ずやってくる。

だけれど彼女は相変わらず数え続けるのが苦手で。
それに彼もそんな彼女の邪魔をする。

終わりの数字なんて―――本当は―――必要ない。


「ね、入江くん…今、何回目だっけ…?」
「ぷっ、もう忘れたのかよ」
「だ、だって!…だって…」
「また1からだな」


数えられなくなったなら、また1から数え直して。
そうすれば彼女の言う「10年後」も「20年後」も「ずっとずっと先」でも。
何度だってキスしていられる。

何度だって繰り返していけばいい。






それが、彼と彼女であって。

ふたりの紡ぐ、ものがたり。







( おわりなんて なくていいから )















物語は始まった時点で、必ず終わりが発生します。
推理小説であれば犯人がわかったり事件がなんらかの解決をしたり。
恋愛小説であれば、恋愛に何らかの決着がついたりします。

でも!!この2人は永遠です。
イタキスに出会って、私はそうしみじみ感じました。
そう思わせるのは、やはり2人がとっても魅力的で生き生きしていること。
ずーーっとずーーっと2人はこの2人のスタイルで、一緒にいてくれるだろうとこちらに信じさせてくれること。
2人が出会えたことに、結ばれたことに、全世界に感謝したい!と言いたいくらい。
イタキスを読むたびに、どこか泣き出したいような切ない気持になるのです。
あぁこんな素敵な2人に出会わせてくれてありがとう。

実は私、イタキスを初めて読んだのは小学生高学年の時。
その頃イタキスが好きという友人がいまして、貸してもらったのが初めです。
さてその頃から大好き…となったかと言えば、答えはノー。

はっきり言いましょう!
よくわからなかったんです!!←ヲイ
つまりは、小学生の私は「どうして琴子が入江くんを好きなのか」「どうして入江くんは琴子にキスしたのか」ぜーんぜんわからなかったのです(笑)
…しょうがない!だってガキなんだもん!!
読解力も足りなかったわけで!ツンデレ(当時はこんな言葉無かったですしね)を理解できない子供だったというわけです。
あー本当にヘマした(笑)こんなんじゃイタキスファンの方々にモノ投げられても仕方ないのですけれど…。
でも、私は何十年後に再会します。イタキスに。
そのきっかけは本当に些細なことなのですが、それから今のこんな状態になりました(笑)
二次サイトさんを見つけた時は感激で叫び出したいくらいでした。
私がイタキスの素晴らしさに気付くまでの時間、イタキスが愛され続けてくれたことに感謝感激です。
私がこうやって文を書けるのも、イタキスを好きだと言えるのも、たくさんの方々がイタキスへの想いを持ち続けていてくれたから。
本当にありがとうございました!!イタキスが好きだと思う皆さんにいっぱいお礼を言いたいのです!!

結婚記念日小説にしようと思って、この話を書きあげました。
もっと上手にスマートにあっさり書きたかったのですがなかなか難しい。
えろい部分をいれたかったせいで、こんな力不足を実感する結果に(遠い目)
でも愛と思い入れはしっかりいれてみました。入れ過ぎで今の自分が真っ白気味。
私のイタキスへの愛と感謝が伝われば何よりです←そっち??


しっかしあとがきが相変わらずうざくてすみません。
愛です。愛。「うわコイツマジめんどくせー」とか言わないでくれると嬉しいです。




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コメント:

ありがとうございました。

素敵で可愛いお話と、素敵なエピコメありがとうございました。
小学生にはわからなかった・・・・イリコトの恋。
このフレーズが気に入りました。
そして私も思います。イリコトは永遠だ!って[��ʸ��:v-238]

朝から…ぽっ

素敵なお話をありがとうございましたー。

そしてすてきなあとがき♪
叫びたい気持ち分かります~。私もそうでしたのでww
そして杏子さんのおっしゃっていたフレーズ私も気に入ってます。
リアル小学生な娘たちもイタキス大好きですが、年頃になってまた読み直したらどんなふうに思うのかな?楽しみにしたくなりました♪

あと、押しつけてしまった例のブツ…ぜひ塗ってくださいね♪
デジタルでぬりえ出来る環境でしたら、塗りたいページを言ってくださればデジタルデータもお送りできます。

返信ですw

杏子さん
>>ありがとうございます(^O^)
私のうざいエピコメまで読んでくださって嬉しいです~wwちょっと書きすぎた感がありましたが(笑)
小学校の私には全然イリコトの良さがわからなかったのですが、今読み直すと本当に素晴らしい2人だと思います!私は人より鈍かったみたいで(笑)
この2人は永遠ですよねっ☆ずっとずっといつものイリコトで仲良くやっていってくれると私も思います!
コメントありがとうございました♪


紀子ママさん
>>ありがとうございます(^^)
確かに軽く100回は超えましたよね(笑)
入江くんの意図に気付けなくても、きっと琴子はキスを繰り返していくはずですw
そういう2人の関係はとってもかわいいですよね♪一生バカップルやってろ~と思うのは私だけじゃないと思います(笑)
私も紀子ママさんと同感で、いつまでもこんなふうに幸せな2人でいてほしいですっw
拍手ありがとうございましたo(^-^)o
コメント嬉しいですw


えまさん
>>ありがとうございますwえまさんもそうだったんですか?
わ~wじゃあ一緒に叫びましょう(←コラ)
イタキスは大人になってから読むと、やっぱり違うんじゃないかなぁと私は思います!でも小学生の私がニブチンだったのは否めないんですけど(笑)
でもでも今の子供たちもイタキスを好きになってくれるのはすごく素敵なことですよね☆これからも好きで居続けてくれると嬉しいですっ。
あっ、この間は小冊子ありがとうございました♪癒されたいときに取り出し、見てはニヤニヤしております。
えまさんの素敵絵や漫画を見て…「あぁイリコト本を私も作りたい」と思ってしまいました。思うだけですが(笑)絵を書けるって素晴らしいですっ(>_<)
データの色塗りもとっても魅力的ですね!それなら塗り直しが何度でもできるわけですしっ!←不器用
勿体無いのでコピーして塗ろうと思ってました(笑)
(追記)
先ほどはいきなりお邪魔してすみませんでした♪
とっても嬉しかったですwwまたぜひお邪魔したいです(^^)
もっとたくさんお話もしてみたいです♪
娘さんたちによろしくお伝えくださいwいずれ君たちも入江くんにメロメロになる時代がやってくると(笑)
ありがとうございました^^w

拍手返信です。

とんとんさん
>>はじめまして。
ありがとうございます。
イタキスの本質って、ただの少女漫画と言って侮れないですよね(><)すごーく深くて、この年になるとずしーんとくるものがあります。
それをたくさんの人が感じていたのだと思うと、本当にすごい作品だなあと思いますよねw
イタキスは永遠です♪
拍手ありがとうございましたw

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プロフィール

Author:嘉村のと
素敵なイタキス二次創作に憧れて、うっかり立ち上げてみたブログです。
イリコトってすごく難しいのですが、「別人だよ」と言いながらもがんばって妄想世界へこきだしていこうかと思います。

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