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恋かもしれない35題 34 「届く声」(29の後にお読み下さい)

2011.09.28 23:04|お題
これと次は短めだと思います。

29「ため息」を読んでくださってからこちらをお読みください。

ここではまたしても神戸編。
やっぱり遠距離って言うのが萌えるのかな…(聞くな




  *  *  *




「入江くん!あ、やっと電話が通じた!」
『…なんだよ』

彼の疲れていて、少し苛立ったような声が聞こえる。
琴子は少し不安になりながらも彼に尋ねる。

「忙しいの?」
『当り前だろ、夜勤明けで今ようやく帰れたんだ』

そうだよね、と彼女は思う。
だけどなんとなくそれだけじゃないような予感がした。

「何かあった?」
『――――別に、何も』

彼女の旦那様は確かに天才で、彼女の助けなんていらない。
ある程度のことは何でもできるし、むしろ彼女がいないほうが彼にとってはスムーズかもしれない。
だけどこんなとき、彼女は何か言ってほしいと思う。

『琴子』
「…なに?」
『―――何か用があったんじゃないのか』
「う、ううん…声が聞きたくって…」
『そう』

彼女の勘はあまり当たらなくて。
思いこみも激しくって、空回りも多くって。
その上彼は彼女になかなか語らない。

電話なのに、何故か沈黙が流れる。

『切るぞ』
「あっま、待って!!…」
『何だよ』

彼女はカレンダーを見上げる。
大きく書かれた丸印。
彼女はそこから視線を外す。

「―――無理、しないでね…」
『ああ』

切れた後の通話音がやたらと耳に残る。
受話器をぎゅっと抱きしめる。
じんわりと浮かぶ涙。

彼女は涙をぬぐって、顔を上げた。

「…何か、言ってくれればいいのに」

これ以上立ち入るなと彼は暗に告げている。
彼が言わないということは、言う必要がないということ。
彼女に言っても意味がないということなのだろう。

だけれどそばにいれない分、言葉が欲しかった。


―――何を思っているんだろう。
何をしているんだろう。

彼のために少しでも何かしたいのに。
そばにいることすら叶わない今の状況。


気を取り直して彼女は洗濯物を取り込もうと、カラカラと窓を開ける。
そのときそれが目に飛び込んできて、彼女は再び受話器を取っていた。









『入江くん!』
「なんだよ、寝てるのに」
『窓の外見て!』
「は?」
『電話切ったら、窓の外見て!約束だよ!』

彼女ががちゃんと電話を切った。
彼は茫然として、ぼんやりとしながら窓に向かう。


窓を開ければ、そこには真っ赤な夕焼け。
いつかまだ2人が結婚する前に見たような―――あのとき彼女が指差した、綺麗な夕焼け。

「……ばっかじゃねーの…」

東京で綺麗に見えていたって、神戸で綺麗に見えるかなんてわかんないだろう。
曇りだったらどうするつもりだったのか。
方角だって彼女が考えていたとは思えない。

だけれどその無茶苦茶な彼女の言葉は見事に的中し、彼の目の前には綺麗な夕日が広がっている。
あいつは天気すら操れるのかもしれないなと彼は苦笑いを浮かべる。



忘れないでね、と彼女は言った。

―――あたしは、どんなときでも入江くんの味方だよっ、てこと!




そのとき笑った彼女の顔を思いだして、彼は小さく微笑んだ。
彼女もきっと今、この太陽を見つめている。

彼に届けと、そのいっぱいの気持ちを抱えながら。











( 届くように この声を絶やさないように )














短い(笑)そしてわかりにくいwあああどうしようもない^^;












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Author:嘉村のと
素敵なイタキス二次創作に憧れて、うっかり立ち上げてみたブログです。
イリコトってすごく難しいのですが、「別人だよ」と言いながらもがんばって妄想世界へこきだしていこうかと思います。

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