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本物には敵わない

2011.09.14 19:50|短編
なんかもう…すみません(笑)
結構くだらない作品ですので、よろしくお願いします。

入江くんが神戸行ったばかりの頃のお話のつもりです。





――どんなに嫌がられても。
どんなにうっとおしがられても。

あなたがいればそれだけでよかったんです。








「寂しい…」

彼女はベッドからむくりと起き上がった。
ちらりと隣を見る。
彼の姿は無い。

日付は既に変わっており、彼女は再びふとんにもぐりこんだ。
目をきつくぎゅっとつむる。

じわりと涙が浮かぶ。
隣にいたはずの人は今は遠い場所にいる。
次に会えるのはいつだったろうか。
その暗闇の中彼女は指を折ってみる。

「ひとりじゃ…広すぎるもん…」


――貴方は今何してる?
あたしみたいに、寂しいって思っていてくれてる?
…ぐっすり眠ってたりして…、ほら、だって入江くんは寝付き良いもんね。
ねえ、あたしは。

「すっごくすごく寂しいよ」


言葉に出すとまた涙がこぼれてきた。
こんなので、一年間頑張っていけるんだろうか。

明日、目が腫れていると家族に心配されるから。
そっとぬぐって、もう今日は泣かないようにしようと彼女は思った。










「やっぱり琴子元気ないわよね」
「当り前でしょ、入江さんいないんだもの」
「本当にわかりやすい奴だな」

ふらふらと前を歩いている琴子を、看護科の皆が心配そうに見守る。
むしろ今の彼女がやらかすであろう失敗が心配なのだが。

「クマがすごいもの。眠れてないんじゃないかしら」
「ただでさえドジなのに、今の状況じゃ怖すぎるわ。あたし絶対琴子と組むの嫌だからね」
「ほんとよね」

ふふっと桔梗が笑って、少し小走りで琴子の隣に行く。

「ねえ琴子」
「ん…、あ、モトちゃん」
「あらやだ、アンタ肌カッサカサじゃない!入江さんがいないからってお手入れさぼってるんじゃないの?」
「なっ…そ、そういうわけじゃないもん!」
「まあ、アンタがそうなるのは十中八九わかってたけど。やっぱりひどいわねぇ」
「……ほっといてよ…」
「そんな腑抜けでいいと思ってるわけ?入江さんだってあっちで1人で頑張ってるんでしょ?」
「―――わかってるもん!」

じわりと、また視界が滲む。
彼がこの道を選んだのは、彼女のためでも自分のためでもあって。
それが彼にとっても大変な決断だったとわかったから、彼女も彼に従うことに決めた。

「だけど寂しいんだもん!仕方ないじゃない!!」
「じゃあ早く看護婦になれるようにがんばりなさいよ」
「…っ、…わかってるもん…」

それでも、理屈じゃなくて。
電話が通じない日は、特に―――どうしようもないくらい、寂しくて。

「こんなんで、1年間がんばれるかなあ…」
「約束したんでしょ?」
「………うん」
「なら、ほら、しっかり食べて寝なさいよ」
「―――うん…」

ありがと、と彼女は頷いた。
優しいひとたちに囲まれて自分は幸せだと思う。

彼は1人で見知らぬ土地でがんばっているのに。
支えることもできないばかりか―――自分はこんな有様で。
やっぱり奥さん失格かもな、と少し思った。









再び夜が来て、彼女はベッドに座っている。
どうやったら上手に眠れるだろう。
この広いベッドで、寂しさを感じないで。

手で、シーツを優しく撫でる。

「入江くん、入江くん…入江くん」

あのときみたいに、叫んだら来てくれるはずもない。
その瞬間、彼女ははっと顔を上げる。

ベッドから降りて、洋服のしまってあるクローゼットに向かい、開けた。





「やっぱり、大きいよねえ」

彼女から明るい声がこぼれる。
ばれなければいいかなと思いついたのが、彼の洋服を着て眠るという方法だった。
なかなか憧れるシチュエーションだったが結婚してから今までしたことはない。

彼がいつも来ていたパジャマ。
だぼっと袖が長いので何度か折ってみる。
ふふっと笑って彼女は横になった。

「入江く―ん」

ほんのりと彼の香りが残っているような気がした。
そして少しいたずらをしているようなわくわくした気持ち。
彼の夢を見れたらいいな、と彼女は思う。
久々によく眠れそうだと思った。











「おはようございます、お義母さん」
「おはよう…、あら、琴子ちゃんそれ…」
「すみません」

てへっと彼女は舌を出す。

「なんか、こうしたら眠れるかなーって…えへへ…」

男物のパジャマを着た琴子が大切そうにパジャマを撫でる。
それを見た紀子はまあ!と声を上げる。

「な、なんていじらしいの!琴子ちゃんてば!」
「あっ入江くんには言わないで下さいね!勝手に使ったって、怒られると怖いから」
「んもう、かわいいわ!しかもとっても似合ってるっ」
「あはは…すぐ着替えて朝食手伝いますね」
「ええ、ありがとう」

ぱたぱたと再び二階に上がっていく琴子を見送って、紀子はにこにこ笑っている。
やはりかわいらしい嫁である。
直樹が神戸に行ってしまってから本当に沈んでいたが、久々に笑顔が見れた。

「本当に良かったわ、やっぱり琴子ちゃんは元気でないと」

身体いっぱいに感情を表現する彼女に笑顔が戻るのは嬉しい。
鼻歌交じりに朝食の支度を再開する紀子だったが、ふと何か思いついたようににやりと笑った。




















「入江直樹様」と宛名が書かれた郵便が神戸にいる彼の元に届いたのは、それから数週間後のこと。
当直明けで、疲労を抱えながら帰宅した彼はそれをぼんやりと見つめた。

「…この字は、おふくろか?」

後ろを見れば自宅の住所。
電話ではなくわざわざ手紙なのが不可解だと思いながら彼はびり、と封を切った。
堅い感触。
これは、手紙だけじゃない、と彼はすぐに理解する。
またろくでもないことを、と思って疑いの目を向けながら中身を見た。

「……っ、なっ…」

彼は思わず声を上げる。

そこには、あのいつものベッドに横になって眠っている琴子の姿が映った写真があった。
しかも、何故だか自分のパジャマではなく、彼のパジャマを着ている。
ぶかぶかのそれは彼女にはミスマッチだが―――彼女はそれごと自分を抱きしめて瞳を閉じている。

「な、なんだ、これは…」

2枚目は、これもまたあのパジャマを着ている。
先程と違うのは、彼女が起きている、という点。
嬉しそうに写真立てに向かって何か言っているようだ。
琴子のことだから「おやすみ」とでも言っているのだろう。
ただカメラのほうを全く見ていないところを見ると、どうやら隠し撮りらしい。

「どこの親が…嫁のこんな写真を隠し撮りして息子に送るんだよ…」

彼は青筋を立てながら、次を見る。

「…っ、おい…」

今度はTシャツだった。
ぶかぶかのTシャツ。
彼が時折着ていたもの。
琴子は机の上に顔を乗っけて、気持ち良さそうに眠っている。
パジャマと大きく違うのは―――やはり、脚。
彼女の白くて綺麗な脚があらわになっている。
イスに座っているから尚更、まくしあがっていて。

「…まさか、こんな姿で家の中をうろうろしてはいないだろうな…」

寝室のようなので、大丈夫だとは思うけれど。
こんなの裕樹には刺激が強すぎる。

まだ、写真は一枚ある。
彼は痛くなりそうな頭を抱えながら、最後の一枚を見た―――。





その後ろにあった便箋がひらりと下に落ちる。

『 お兄ちゃんへ
 どうだったかしら?なかなかの力作でしょう?
 最近琴子ちゃんは本当に寂しがっていたけれど、この方法を見つけてからずいぶん明るくなったのよ!もう、本当にかわいいわよね~。
 琴子ちゃんは言わないでと言っていたけれど、こんなかわいい琴子ちゃんを見れないお兄ちゃんが可哀想で可哀想で、思わず撮ってみたの★
 感謝してちょうだいねwwこれは1人寂しく神戸にいるお兄ちゃんへの私からのささやかなプレゼントよ!
 
 追伸 突然帰ってきても全然私は構わないわよ♪(私にだけ連絡くれれば邪魔者は消えるわよぉ)
    ちなみに最近の琴子ちゃんのお気に入りは4枚目の写真の格好みたいよ☆ウフw』







「………くそ…」

彼は4枚目を見る。

そこにいたのは、王道と言えば王道―――彼のワイシャツ1枚を羽織っているのみの彼女だった。
鎖骨がはっきりと見えるくらいの首元。
指しか覗かない袖。
太ももがありありとあらわに外気にさらされている脚。
なんでまたわざわざ、彼女がかけぶとんを蹴飛ばした時をねらって撮ってあるのだろう。


バカなことをするな、と今すぐ実家に電話をかけたい気持ちと。
今すぐ実家に帰って彼女を抱きしめたい気持ちと。

彼は頭痛がする頭を押さえながら、ひたすらに葛藤を続けるのだった。









( 全然プレゼントじゃねえし )












むしろ半殺しですね(笑)
あれ?初めはシリアス傾向と見せかけてまさかのギャグでしょうかコレ…
個人的にはこの後、帰宅して琴子がワイシャツですやすやと寝てるところを襲ってほしいです。
さすが紀子ママ。かなりの上手です。

ワイシャツ1枚はかなり王道ですが大好きなんです。
と言うか、寂しがって男のワイシャツをこっそり着ちゃう子が萌えるんです←
変態で申し訳ないです。
このパターンまた書いたらすみませんw

切ないような始まり方はただの詐欺です(笑)







(以下追記 9月17日)

ここでこーーーーっそり言ってみます。

誰かワイシャツ一枚すやすや寝てる琴子ちゃんイラスト書いてくれないかな。
今にも捕食しようとしている入江くん付きがいいなあ。

…あくまで、ひとりごとですよぉw
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誰も手を挙げていないなら…挙げていいですか? (=^_^=)

あとがきを今更読みました

題名に用件を描いてしまいました(;^_^A

どなたかが立候補していても描かせていただく事をお許しくださいね♪

起きてるシャツ姿ですが…

嘉村さん~まだ寝ているシャツ姿で納得いく落書きが出来ていないのです~。起きてる姿を過去絵から発掘&シャツ着てにっこり琴子の落書きをブログにおいてみましたー。
お暇な時にお立ち寄りください。

あ、あと。フォームメールに返信したのですが、やはり季節が遠くなってしまったからあれはアレでしょうか(^オ^;;) あのアレでしたら返信不要ですので(^o^)/ またの機会によろしくお願いしますです♪

えまさんへ

きゃーー@@!
私ってばなんてことを!!
恐れ入ります、今メールを送らせていただきました。
大変ご迷惑をおかけしました。すみませんでした!!

そ、そして!
Yシャツ琴子いいですよぉ!!寝てる琴子を見て、うん、入江くん、「待て」はしなくていいと思うよ!と思わず言いたくなるかわいらしさです!!拳をぎゅっと握ってしまいました!
もうどれもかわいくてかわいくて…私、鼻血出しすぎて貧血になりそうです(コラ
起きてる琴子も、入江くんの膝に乗っかる琴子もかーわいいです!もう私のテンションがおかしくて、あぁ本当にすみません!!
私の願望を…こんな素敵なカタチにしてくださって、本当に嬉しいです!!
ありがとうございました♪
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嘉村のと

Author:嘉村のと
素敵なイタキス二次創作に憧れて、うっかり立ち上げてみたブログです。
イリコトってすごく難しいのですが、「別人だよ」と言いながらもがんばって妄想世界へこきだしていこうかと思います。

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